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【マイナーマンガ100選】「青春のアフター」の読後感が暴力的なまでにヤバイ


BABAです。

マイナーマンガ100選のコーナーです。

久しぶりに読んで頭を殴られた感じになったマンガと出会えたので、ご紹介しようと思います。
その名も「青春のアフター」というマンガです。

恋愛のドロドロした部分、エゴイスティック部分が「これでもか!」というくらい真正面から描写されていきます。暴力的なまでに真正面から、目を逸らさず描いているマンガです。

 

初期設定としては、こんな感じです。

・冴えない主人公(16歳の高校生)がクラスの女の子(さくら/ピンクの髪の毛の女の子)に恋をする。主人公は努力を重ね、さくらと一緒にご飯を食べたり、家でゲームするくらいの仲になる。

・しかし、さくらは同じクラスの金髪のモテ男(倉橋 / 金髪の男の子)のことが好きであり、倉橋と付き合うことになる。主人公は、さくらと倉橋の交際を邪魔してしまい、さくらから「お前なんていなくなってしまえ!」と言われてしまう。

・その瞬間、なぜかさくらは跡形もなく消えてしまい、そのまま行方不明になる。

・時は流れ16年後、32歳になった主人公は同棲相手の彼女(みい子)と共に、幸せに過ごしていた。そんな主人公の目の前に、突如として16年前からタイムスリップしてきたさくらが現れる。

・16歳の姿で現れたさくらを放っておけず、「主人公、みい子、さくら」の3名の奇妙な共同生活が始まる

こんな感じです。そこから「ハーレム展開へ!」みたいにはなりません。。

主人公は、「同棲相手のことを好きな気持ち」と「初恋相手を手に入れたい気持ち」の間で強く葛藤します。そして少しずつ醜い自分が、過去のトラウマ・劣等感を抱えた自分が蠢きだします。

 

始めは「せっかく初恋相手に見切りをつけ、同棲相手を好きになろうとしたのに面倒だな」程度の違和感から。

次第に初恋相手と仲良く過ごす自らを正当化するロジックを作り出していき、そして自らが生み出したルールを超えて、「初恋相手を手に入れたい」という感情を制御できなくなっていきます。

こんな風に書くと、単なる「ただれた恋愛マンガ」と思われてしまうかもですが、このマンガにはミステリー要素が詰まっています。「恋愛ミステリー」という新しいジャンルかもですね笑

4巻で完結するのですが、第1巻から少しずつ張り巡らされた伏線が一気に回収され、最終巻はドンデン返しに次ぐドンデン返しが待っています。全ての伏線が一気に繋がり、衝撃と哀しさが一気に押し寄せます。

 

全てが必然であり、彼らが通う高校が「底辺の偏差値である」という設定までもが伏線の一部であり、そこが解けた瞬間に「ある人物」のこれまで謎だった発言意図や受けた傷の大きさが浮き彫りになります。

深く傷ついて、受け入れて、孤独に耐えて、義務を果たしたある人物の姿が見えてきます。これは鳥肌ものです。

 

作者さんである「緑のルーペ」さんも言っているのですが、ラストはハッピーエンドではありません。でもまぁ、人生なんてものは「皆が幸せになるエンド」なんて存在しないのでナチュラルなのかもしれません。

マンガのタイトルも秀逸です。「青春のアフター(後始末)」なんて、本当にセンスがある。
シナリオをすべて考え切った上で、そこから絵を描かれていく作者さんなんだな、、という感じがしました。

これ以上書いてしまうとネタバレになってしまうので、このくらいにしておきます。
以上、久しぶりに頭を殴られたマンガ「青春のアフター」のご紹介でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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