馬場です。
今や多くの企業が「カスタマージャーニーマップ」を描いています。確か2013年くらいに流行り始めた言葉なので、今やマーケティング界隈で、多くの人が「カスタマージャーニー」という言葉を知っていると思います。
しかし、99%の人はカスタマージャーニーの意味を誤解しているのではないでしょうか。
本記事では、カスタマージャーニーとは何かについて、ものすごくロジックを飛ばして、適当に、好き放題に書いています。それでも良いという方のみ、ご参照くださいませ、、、
本当のカスタマージャーニーというのは、「A)企業全体のビジョンと繋がったコンセプト・世界観のもとで」、「B)ユーザがサービスと出会い、豊かになるまでの過程において」、「C)どのチャネルでどのような体験を提供することで実現するのか」を定義したものです。
カスタマージャーニーを描くことは「マンガ・アニメ作品を描くこと」と同義であり、良いカスタマージャーニーを描くことは大ヒットするマンガ・アニメを創ることと同じです。
カスタマージャーニーを描くのは、めちゃめちゃ孤独で苦しい作業です。ワークショップでわいわい作業しながら創るものでは決してない。ワークショップで、大ヒットするマンガ・アニメ作品は生まれません…
本当のヒット作品は、いつだって1人の人間が持つ世界観から生まれます。ジブリシリーズが宮崎駿さん個人の世界観から生まれているのと同じです。
そういった意味では、これからの時代で脚本家が活躍する現場は、テレビ番組やアニメ、マンガ、映画作品の監督・制作ではなく、企業のカスタマージャーニー・デザインになっていくと思います。クリエイティビティ以外にビジネスセンスやテクノロジー理解が要求されるため、少し別の才能が必要になるかもしれないですが、、
しかし現状、大半の企業が描いているカスタマージャーニーは「プロダクトを売るためのシナリオ」になっています。
「プロダクトAへの新規申し込み数を増やす」ことをミッションとして、どのようなシナリオで「プロダクトの新規購入」までユーザを導くかを描くものだと捉えているケースが大半です。広告会社やエセコンサルタントが描くカスタマージャーニーはだいたいコレなので、こういった捉え方をしている方が大半なんだと思います。
これは極めて旧時代的な捉え方です。プロダクト中心の価値観から抜け出せていない。「モノからコトへ」という時代の変化があり、コトとは「誰かを豊かにすること」なのだから、カスタマージャーニーは「プロダクトを購入するまで」ではなく、「ユーザが幸せになるまで」の時系列で描く必要があります。
プロダクトを購入した瞬間にユーザが幸せになるハズなんてなく、これは出会いでしかありません。アニメ・マンガで言うと「第1話」が描かれただけに過ぎないです。あと11話くらい必要ですね笑
恋愛マンガで言えば、好きな女の子、男の子と出会うまでで終わってしまう感じです。最終兵器彼女でいえば、ちせが最終兵器になってしまったところで物語が終わってしまう感じ…と言っても誰にも伝わらないか、、
あと多い失敗例としては、各フェーズにおける「現状のユーザ行動と心理状態しか描かれていないジャーニーマップ」でしょうか。
各接点で「ユーザの行動」と「ユーザがこういう気持ちになっている」とだけ書いてあり、具体的に「各顧客接点にて、どんなソリューションを提供することで、どんな風にユーザの状況・状態を変化させていくのか」を描写していないやつ。
リサーチの初期段階で、こういったアウトプットが必要になるケースもあるとは思うのですが、これは先に挙げた「カスタマージャーニー」とは全く別物です。「現状のユーザ行動の整理」くらいのラベリングにして頂きたいなと切に願います、、
登場人物の行動 と 心理状態だけ書いたマンガ・アニメ作品が存在しないように、何か外部要因によって主人公が置かれている状況・環境が変化していく様子を描かないと意味がない訳です。
また、既に企業が持っているケイパビリティや機能を前提にジャーニーを描く必要はありません。先に理想的なカスタマージャーニーを描き、あとから必要な機能要件を定義していけば良いのです。
カスタマージャーニーを先に描いてから、機能要件の開発優先順位や実現可能性を検討していく順序であることが理想的です。だいたいそんな風には上手くいかず、「新しい機能をどう体験化するか?」を考えるみたいに逆の順序になってしまうのですが、、
…とまぁ、好き放題に毒にも薬にもならない記事を書いてしまいました笑
たまには、こういうのもいいか。