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「ドラクエウォーク」と「ポケモンGO」のユーザ体験の違い


「ドラクエウォーク」と「ポケモンGO」は、ぱっと見た感じ似たようなゲームに見えます。

しかし、これらのゲームが提供している体験は実は全く別物であり「ドラクエウォークは非リア向け。ポケモンGOはリア充向け」なのではないか…?と考えています。

その理由を端的に言えば、ドラクエウォークが「ここではない、どこかへの脱出を支援する装置」であることに対して、ポケモンGOは「イマココを楽しいものに変えることを支援する装置」だからである、、というお話です。

 

ポケモンGOが提供するエクスペリエンス

ポケモンGOって、決められたストーリーがありません。ドラクエでいう「世界を魔王から救う」みたいなストーリーとか、決められた目的がないゲームです。

歩いてたらその辺にポケモンがいることを発見して、捕まえる。自分が好きなポケモンを集めて、育てて、戦う。誰かと交換する…。大きな物語はなく、自分で自分の物語を創っていく感じでゲームは進みます。

少し難しい言葉でいうならば「ストーリーではなく、ナラティブ」を紡いでいくゲームです。

 

なぜ、目的が与えられていないゲームにヒトは没頭するのか。それは、ポケモンGOは我々に「何気ない日常 / 退屈な現実を楽しむ力」を与えてくれるからではないでしょうか。

「となりのトトロ」でいえば、メイちゃんは何気ない日常に「まっくろくろすけ」を発見し、面白がれる。そうすることで、退屈な田舎の生活を楽しめる訳です。

アニメの聖地巡礼みたいなもんですね。何も知らないと「ただの喫茶店」や「ただの坂道」に過ぎないものが、「あのアニメの、あのシーンで出ていた所だ!」となると、別の意味合いが生まれる。

何気ない日常を、何かのレンズを通じて眺めることで楽しめるようになる。

こんな感じで、ポケモンGOは「何気ない日常を面白がるための力を強化してくれるもの」と捉えると良いのではないでしょうか。

 

ドラクエウォークが提供するエクスペリエンス

それに対してドラクエウォークはガチガチにストーリーがあります。

プレイヤーはポケモンGOみたいに、自分の物語を歩むのではなくて、他人の物語を歩いていくことなります。(一応、主人公に自分の名前をつけることはできますが、自己同一化するのは難しいですよね、、)

物語を進める以外の目的と言えば、登場人物のレベルを上げ、ゴールドを稼ぎ、強力な武器やレアなアイテムを入手していく…といった感じで、すべてドラクエウォークの中で世界は完結しています。

だからポケモンGOみたいに「イマココを楽しくする」するという話ではなくて、「ココではない、どこか」へ脱出するものがドラクエウォークだよなと思う訳です。

現実空間そのものを楽しむんじゃなくて、ドラクエウォークの世界、バーチャルリアリティの世界に自分を投じて、ココではない、どこかに自分を脱出させて楽しむもの。

そのように捉えると、ドラクエウォークは「小説」とか「従来型のテレビゲーム / スマホゲーム」と同じカテゴリにあることが分かります。

 

ポケモンGOとドラクエウォークの対比

まとめると、

・ポケモンGOは「イマココ」の現実を楽しいもに変えることを支援する装置

・ドラクエウォークは「ココではない、どこか」の非現実的な空間に脱出することを支援する装置

という意味で、全く違うユーザ体験を提供していることになります。

このように捉えると、ポケモンGOは「今ココの現実空間を拡張して楽しくするゲーム」という点で、革命的であることが分かります。

今までのゲームはすべて「ここではない、どこかへの脱出」を支援する装置であったにも関わらず、ポケモンGOは意味の革命を起こした。だから「ポケモンGOは爆発的なダウンロード数を稼ぎ、社会現象を起こすまでに至った」と解釈するのが正しいのではないでしょうか。

 

「イマココ」のリアルをさらに充実させたいリア充にとって、ポケモンGOは役立つツールな訳です。

友達とポケモンを捕まえに出かけたり、ポケモンの写真を撮ってインスタグラムにアップして遊んだり、ポケモン交換をするなどの形で「友人・恋人などと遊ぶ・繋がる」という現実の体験を拡張することを支援できます。

1人であっても、「ポータル」に沿って歩けば何気ない散歩道の中で様々な文化資産に触れることができます。

「ここではないどこか(=非現実空間)」への脱出を支援するドラクエウォーク(非リア向け)とは根本的に異なる装置だといえます。

 

任天堂の事業コンセプトについて

ポケモンと言えば、こういったコンテンツ世界を作っているのは任天堂です。

任天堂の文脈でいうとWiiも同じ発想で作られていることが分かります。あれは「家族のだんらん」っていう現実の体験を、デジタルの力を借りることによって、拡張する装置ですよね。

恐らく任天堂は「ゲームによる現実空間の拡張」をコンセプトにしている会社だと思っているんですけど、そういう見方をすると思想の優れた会社だなーと。こういう強い事業コンセプトを持っていることが、世界で戦うためには必要なのかもしれません。

同じ技術、ウォーキングAPPという発想を活用しているにも関わらず、ドラクエウォークとは全く異なるユーザ体験を提供してしまうのですから…。

 

今日は「ドラクエウォークとポケモンGOは全く別物である」というテーマに基づいて、お話をさせて頂きました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 


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